リチウム硫黄電池技術
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リチウム硫黄電池技術

リチウム硫黄電池技術 承認済み

「軽量・安全」が重要な領域で、充放電が常時行われないものはリチウム硫黄電池は安価で最適

レビュー

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説明

どのような技術・製品か?

現在の蓄電池はリチウムイオン電池が主流で、ニッケル水素等その前の世代と合わせて世界の蓄電池の95%を超えています。しかしながら、電池で使用しているレアメタルの枯渇、EV自動車やIoTなど新製品開発による電池需要の増大と要求電池性能の高度化により、新しい電池の開発需要が高まっています。

リチウム硫黄電池には大きく3つの特徴があります。現在研究中で今後の改良も見込まれます。

  • 1.重量エネルギー密度がリチウムイオン電池の3倍以上

リチウム硫黄電池の重要エネルギー密度は500~800Wh/kgと現行のリチウムイオン2次電池の200Wh/kg前後の3倍以上です。

  • 2. 材料が豊富で安価

現行リチウムイオン電池はコバルトを使っており、このままでは2030年に枯渇するという予測もあります。一方でリチウム硫黄電池で使用する硫黄は資源豊富で安価に製造可能です。

  • 3. 発火しないので安全

電解質が難燃性なので、現行リチウムと比べて発火現象は極めて発生しづらいです。

現在のところは、充放電回数は現段階では現行リチウムイオン電池より少ないため、例えば毎日のように充放電するようなモノより随時充放電するモノの方が適しています。

何を実現するのか?

1. 製品の小型化・軽量化が可能

重量エネルギー密度は現行リチウムイオン電池の3倍以上が期待できるため、同程度の容量で比べるとかなりの小型化が可能です。

2. 製造コストの低減

現行のリチウムイオン電池では12.5円/Whに対し、リチウム硫黄電池は6.7円/Whが期待できます(NEDO試算)。さらにはコバルトが枯渇し始めるとリチウムイオン電池のコストは上がる可能性もありますが、逆にリチウム硫黄電池は技術革新によりさらに下がる可能性があります。

3. 製品の安全性向上

例えば、リチウムイオン電池は日本では消防法に適用されて定置用電源では使用できません。しかしリチウム硫黄電池は難燃性なので使用可となる可能性があります。

4. 資源問題へ貢献

枯渇が予測されているコバルトを使用せず、資源豊富な硫黄を使っており、資源問題の回避に貢献できます。

強み、競合優位性は何か?

次世代蓄電池は様々なものが研究されておりリチウム硫黄電池以外にも、例えば全固体電池、ナトリウムイオン電池、水素電池(HAB)、多価金属イオン電池、リチウム空気電池などがあります。

その中でも開発の進度、重量エネルギー密度、原料調達を含めた製造の容易度は優位で、コストパフォーマンスに優れていると言えます。 なお2022年には安定生産の製品をリリースする計画で進んでいます。

実用化が早く、かつコストパフォーマンスに優れた製品にできるのは、私が実用化を熟知した電池技術者だからです。 私はパナソニック株式会社では電池技術を担当した後、電池技術だけでなく製品全体のQA/QCを担当しました。またその後、大手の家電等電気機器を販売している会社で電気機器製品の担当者をしていました。研究開発から製品の販売担当まで経験し、元の主力キャリアの研究者に戻りました。

どのような実績・事実・データなどがあるか?

現在は非公開

どんな製品・部品に使われるか?

将来の用途としては、ドローン、航空機(ハイブリッド)、定置用電源(非常用など)、ロボット、ウェアラブル端末、玩具などが考えられます。

  • 軽いため、軽量化が重要なもの(空を飛ぶモノや重量制限のあるモノなど)に最適
  • 難燃性のため、破損や火災リスクが高いところへの適用性も高い
  • 現状は充放電回数が少ないことから、毎日や常時稼働の電池としては使われずに利用頻度が例えば週に1回以下などのものに適している

例えば災害用や農業用のドローン。軽量で密度の高い電池が求められるため最適です。また、万が一落下した場合の二次災害を抑制するためにも難燃性の電池は有効です。災害用や農業用のドローンは充放電回数も限定的なので、現行リチウムイオン電池より少なくても問題ありません。

次世代蓄電池は特徴が多様なため、用途別に電池の使い分けが進むと考えられます。「軽量・安全」が重要な領域で、充放電が常時行われないものはリチウム硫黄電池は安価で最適です。